「左利きの憂鬱」の日記

思い通りにならない日々でも、腐らずに生きていく。

『くさりにつながれたゾウ』。

「アメ」の話。

「ムチ」の話はもうしなくてもお察しがつくと思うので、「アメ」の話をしようと思う。人は「賞賛」に弱い。業績を上げたら、徹底的に「褒められる」し、「昇格」も早い。人望とかはほぼ関係なく、業績依存の「昇給昇格システム」だ。加えて、やればやっただけの「インセンティブ収入」も手厚い。当時、社内では「数字は人格だ」と言われていた。よって、業績優秀者は、表彰式なるもので、大々的に「褒められる」のだ。式では、テレビ局のアナウンサーが司会を務め、外部から多くのお客様が招かれる晴れやかな場に、表彰者は家族をホテルに招待出来るのだ。ま、お父さんの晴れ舞台というところだろうか。しかも場所は「赤坂プリンスの五色の間」「新高輪プリンスの飛天の間」を借り切って、とにかく盛大にやるのだ。つまり、超分かり易い「格差社会」なのだ。やれば絶賛。やらなきゃ罵倒。何とも分かり易い。

この仕組みって。

ナチス」「北朝鮮」「オウム真理教」と似てない?と思うようになる。側からみれば、「抜け出せばいいじゃん」と思うのだが、そう簡単ではないのだ。『くさりにつながれたゾウ』の絵本のお話と一緒で、「ここで成功する他、道はないのだ」と「思い込んでしまう」のだ。

http://colorin-colorado.info/libro-espanol/el-elefante-encadenado

心の鎖は、簡単には切れない。

この頃、テレビでよくDVの報道がされていて、「殴られたり、蹴られたりするなら、サッサと離婚して出て行けばいいじゃん」といったコメンテーターの話を聞くと、本当に無理解な人だなと思った。とにかく、本人は「怖い」のだ。逃げて、バレたりしたら何倍もやられる、もしくは殺される、時に殺してもらった方が楽になるかもしれないと思っている。この手の人は、極度に優しくなる。褒めるのだ。そして、甘えてくるのだ。これがまた怖い。この人の為に、と思わせる術を持っているのだ。