「左利きの憂鬱」の日記

思い通りにならない日々でも、腐らずに生きていく。

アイスの話。

昨日夕食時のテレビ番組ジョブチューンで「赤城乳業ガリガリ君」を特集しているのを見ながら、娘が「お父さんのアイスの話好きなんだよねー」と。

話は、私の幼稚園の時に遡る。それは、とにかく暑い夏の日だった。一人っ子である私は、わがままである。母に、「暑い、暑い、アイスが食べたーい。」としつこく駄々をこねていた。

そこで、「天下を取る手相の持ち主である」母は、閃いた。

しばらく駄々を聞いた後、「仕方ないわね。アイス買いに行きましょう。」と。母と2人で近所の駄菓子屋さんへ。私はその後に起こる事を予測していないので、「わーい、やったー。」と思ったし、自分の要望が叶った喜びもあった。

そして、お店に着き、母が購入したのは、「2リットルの業務用アイス」だ。

普通のサイズのものも沢山あるのに、何でかなぁと思ったものの、いっぱい食べられるからいいかと漠然と思いつつ、家に帰ると、クーラーのある寝室がキンキンに冷えている。

「暑い日に、キンキンに冷えた部屋で、アイスを食べるなんて、最高に幸せだ!ありがとう、お母さん!」と思ったものだ。

母は「暑いでしょ。自分で食べたいと言ったんだから、アイスを残さずに一人でしっかり食べなさい」と言い、ワンコそばの如く、業務用アイスのケースから掬っては「はい、どーぞ」と食べさせる。室温20℃以下のキンキンに冷えた部屋で、次から次に手渡される。

次第に、手先が冷たくなり、身体も冷えてきて、アイスも美味しく感じなくなってきて、「もういらない」と言うも、「あなたが食べたいと言って、わざわざ暑い中買いに行ってきたんだから、残さず食べなさい」と淡々と言う。こうなると食べ終わらないと、この寒いクーラーの効き過ぎた部屋からは出られないと思い、半泣きでアイスを食べた。

最後は母も食べる手伝いをしてくれて、何とか食べきったが、「二度とわがままは言わない。言うととんでもない仕打ちが待ち構えている」と心に刻まれた出来事だ。幸い、今でもアイスは好きだし、たまに食べると美味しい。トラウマにはならず、笑い話で済んでいる。

子育て中の親御さんで、「子供のわがままが過ぎる」場合、「ダメよと禁じる」だけでなく、ノリツッコミで「子供のリクエストの期待値超えする」事で、子供のわがままを抑制する事が出来るという一例です。まぁ、今の時代だと体罰問題とかになってしまうので、安易には出来ないのかもしれませんが、私はユーモアがあって面白いと思っています。