「左利きの憂鬱」の日記

思い通りにならない日々でも、腐らずに生きていく。

アポ取り。

新人の最初の仕事はアポ取りだ。

1日割り当てられた地域の中小零細企業に対し、200本電話掛けするのが、最初のノルマ。学生時代、部活の取り纏めで電話をよく掛けていたし、話すのは得意だと思っていたから、「正直楽勝でしょ」と思っていた。

そんなに世の中甘くない。

1日200本の電話のうち、9割9分がガチャ切り。ガチャ切りされないのは数本。話せたとしても「二度と掛けてくるな」がほとんど。そんな毎日が2ヶ月は続いた。本店営業部に配属された30名の中でも、ポツポツとアポを取り、契約を取る奴が出てくる。そして、全国に配属された同期300名の中には、2件目、3件目とアポを取る奴が出てくる。焦る。電話でダメなら、手紙、ポスティング、飛び込みなんでもやった。でも、なかなか結果は出ない。というか、突破口が全く見えない日々で、精神的に追い込まれてくる。

そんな中、同期が退職。

仲が良く、励まし合いながら、頑張っていた同期だっただけにショックだった。ただ、当時は自分の成功を信じていたので、「俺は大器晩成型だから、もう少ししたら結果が付いてくる」と思っていた。というか、そう思い込もうとしていた。

最初の新規は、小口の手形割引。

手形が何なのかもよく分からないまま、この世界に入ったから、最初の契約の時は、お役に立てているのかの実感があまりなかった。どちらかと言えば、「新規ゼロからの脱出」の喜びの方が大きかった。

ただ、喜びもつかの間、毎日毎日200本の電話掛けの日々は続く。辛いという感情も段々薄れていき、電話掛けマシーンとなっていく。