「左利きの憂鬱」の日記

思い通りにならない日々でも、腐らずに生きていく。

「諦める」って難しい。

「諦める」って難しいなぁ、と最近思う。

そんなに意識していなかったけど、病気になって、「結構出世したかったんだな、俺」と思う。病気になる前は、自分で言うのもなんだけど、結構頑張って、会社の成長に貢献してきたつもり。この4年も脚を引きづりながら、人並み以上の成果は上げてきた。でも、正式に若年性パーキンソン病と診断されてから、病気の進行もあるけど、行動範囲が狭くなり、時折休む事も増えた。それでも、会社は「身体が第一だから」と温かく、動けなくなっていく私を許してくれている。体調も考慮して、目標も大幅に下げてくれた。有難いとしか言いようがない。ただ、その目標も、今の私には精一杯努力して届くかどうか、な目標となっている。昔の自分と比較すると、本当に情けなくなる。何でこれくらいの事も出来ないんだろう、と。

つい先日、退職した社員のお客様引き継ぎのMTGがあった。入社数年後から、持ち前の新規開拓力で、一番多くの顧客を抱えてきた私は、顧客の担当者変更のMTGは絶対に参加してきたし、誰がどの顧客を担当するかという事については、発言権もあったし、思い入れもあった。ただ、先日のMTGには、声が掛からなかった。新人の顧客で、社数も少なく、重要度があまり高くないという事があったにしても、これはショックだった。いよいよ、こういうMTGからも外されてゆくんだなぁ、と。

転職相談の中で、「今の会社での先が見えたから転職したい」というご相談は多い。「でも、大手だし、すぐには潰れない会社だから、しがみついていてもいいんじゃないですか」と思う事も多かった。何故ならば転職もリスクだし、移れば問題が解決するという事でもない。移った先で、猛烈に頑張り成果を上げて周りに認められなければならない。これは、想像よりも大変だ。しかし、今となっては少し解釈が違う。

「みんな、自分の人生を諦めたくないんだよな」って事。

評価がある程度固まってしまった会社の中で、評価を変える事はなかなか大変。であれば、新しい環境に移って、心機一転チャレンジしたい。出来る自分、輝いている自分を手に入れたい。失敗のリスクもあるけど、いまいちの評価のまま、生きていくのもしんどい。一度きりの人生、思い切って後悔のない人生にしたいからね。

ただ、私を始め、病気を患った事により、思い通りの人生を描けなくなった方の苦しみは深い。病気を取り除かない限り、新しい環境にすら移れない。寧ろ、移った新しい環境の方が大変なはずだ。だから、今の環境に「しがみつかなければならない」のだ。しかし、そこでの評価を上げるのは、本当に大変だ。何故なら、身体が思い通りには動かないからだ。周りの人の手助けがなければ、自分の身の回りの事も十分に出来ない。少し前までは、普通の健常者だったから、何事も受け入れるのに時間がかかる。「ま、いっか」と受け入れるには、まだまだ時間がかかりそうだ。自分の人生を諦めるには、まだ早すぎる。