「左利きの憂鬱」の日記

思い通りにならない日々でも、腐らずに生きていく。

転職エージェントという仕事。

私が入社した2001年9月は、まさかの全社で「0」であったが、後にも先にもそのような業績であった事はない。ただ、その事により、私は気合いが入った。尊敬する社長のやり方、考え方、話し方をマネた。気付いてみたら、仕事中は「関西弁」になっていた。そして、関西の企業をゼロから開拓し、一手に担当した。現在の弊社クライアントで関西本社の企業はほぼ私がルートを作ったと言っても過言ではなかろう。もちろん、関東の企業も次々にルートを作った。業種は多岐にわたる。総合商社、メガバンク、信託銀行、コンサル、シンクタンク投資銀行ベンチャーキャピタル、メーカー、飲食、小売、サービス、エンタメ、法律事務所、創業間もないベンチャー企業など2000社以上は訪問してきた。転職のご相談は月40人ペースで、決定者数は500人以上。第二新卒クラスから役員、社長になった方もいる。ほんと、多岐にわたる。

転職エージェントの仕事は、世の中を変える事は出来ないかもしれないけど、目の前の人を幸せに出来る仕事だと思う。そして、多くの方から感謝して頂ける有り難い仕事だ。私は、この仕事が好きだし、誇りをもって取り組んでいる仕事だ。そして、気恥ずかしいが、求職者の方に、天職だと言って頂ける事が多い。最大の褒め言葉だと思う。転職決定後に、何人か一人のペースで転職体験記を書いて頂くのだが、有り難すぎる褒め言葉のオンパレードで、嬉しくなる。ま、時に厳しい指摘もありますが…。

会社は緩やかではあるが、順調に発展し、銀座の一等地で30人規模で人材紹介業一本で勝負している。成功報酬型ビジネスである為、決定がなければ冒頭に記載の通り「0」となるリスクの高いビジネスだ。多くの紹介業は派遣事業を並行して行い、リスクをヘッジするが、弊社は専業である。平たく申せば、我々がリスクを取っても、世の中に正社員を増やしたいという考えからだ。頑張って成果をあげた結果、派遣社員を増やすビジネス(日銭が入ってくるので経営はしやすい)を我々はせずに、ツッパっているのである。これは言うは易く行うは難しで、結構シンドイ。

だから、ついて行けずに辞めていった社員も少なからずいる。ただ、ITバブルの崩壊、リーマンショック、9.11などの経済を揺るがす事柄があっても、リストラは創業以来していない。これは社長の方針であり、ポリシーである。我が社の居心地の良さはそんな安心感の上に成り立っていると思う。私もお蔭様でもうじき丸18年勤務となる。時の流れは早いものだ。入社後生まれた長女は高3、その後生まれた長男は高1だ。

世の中の仕組みや人の生活について勉強させてもらい、自分の価値観を広げてくれた仕事で、感謝しかない。この仕事に出会わず、生きていたら、相当狭い価値観で生きていたように思う。だから、18年前に誘ってくれた社長には感謝だ。

しかし、人生というのは、本当に分からんもんだ。

2018年5月、若年性パーキンソン病と診断される。